ER看護師

とっても危険な低血糖の原因と症状 〜ER救急搬送の実務〜

救急の疾患で時々見られるのが低血糖です。実は緊急度もすごく高いのです。

 

何故なら早急に処置をしなければ死に至る病気だからです。私も看護師をしていて低血糖で死んでしまった患者さんに直面をしたことがあります。救急でも意識障害という要請で搬送されてくる患者さんがいます。そのうちの何割かは低血糖症状です。

 

低血糖とはどんな病気か

字のごとく血糖が低くなってしまうことです。これは血液中の血糖値が低くなってしまうことを指しています。

 

血糖値は食事などの影響で変動します。血液検査などの数値で示すと大体ですが70?120mg/dlです。血糖は脳細胞にとってエネルギー源です。そこにエネルギー源が行き届かなくなると脳細胞がうまく機能しなくなり意識障害を起こしてしまい最悪の結果ですが死に至ってしまいます。

 

低血糖の原因は何か

一番多いのが糖尿病の治療で使われるインスリンの注射や経口血糖降下薬の影響です。

 

決められた量をきちんと注射をしたり内服していても食事の量や体調の変化などで低血糖を起こしてしまいます。注射の量を間違えてしまった、お薬を過剰に内服してしまったなどでも低血糖を起こしてしまいます。

 

その他としては空腹時のアルコールの摂取や抗不整脈のお薬の影響でも低血糖を起こしてしまいます。これらは外因性としています。それに反して内因性としてはインスリンの感受性が高いこと、胃下垂、胃切除後に多いダンピング症候群などがあげられますが食事の摂取を変えるだけで予防することができます。

 

低血糖の症例 7回ターゲスの患者さん

今も時々糖尿病の患者さんの検査で7回ターゲスという検査をしている医療機関があると思います。

 

朝昼夕食の前後に採尿と採血、寝る前の21時頃に採尿と採血をする検査です。

 

この患者さんは糖尿病でインスリンの注射をしている患者さんでした。現在のように簡易血糖測定器(通称デキスター)というものがなく採血のたびに検査室に持って行き検査をしてもらうのが常でした。

 

検査も順調で消灯前の検査でも「尿が取れたよ」とナースステーションまで教えに来てくれたほど元気でした。

 

しかし一時間ほど経過した時に検査技師さんが真っ青な顔をして検査データーを書いた伝票を持ってきてくれました。

 

その数値は7回ターゲスをしている患者さんの血糖値の伝票でした。

 

寝る前の血糖値が3mg/dl(正常は70?120mg/dl)こんな低い血糖値は見たことのない数値でした。急いでその方の部屋に行きました。

 

個室だったということもあって「??さん!わかる?!」と大きい声で叫びましたが意識はありませんでした。

 

しかし、体がまだ暖かかったので心肺蘇生をして同僚に当直医を呼んでもらい緊急処置が始まりました。気管内挿管をして昇圧剤や強心剤を投与して人工呼吸器まで使い一時的ですが心拍は再開しました。

 

意識は戻らず数日後には亡くなってしまいました。

 

糖尿病の患者さんの救急搬送

次に救急搬送されてきた患者さんですが糖尿病の既往がある患者さんでした。

 

最近の救急隊も処置拡大で血糖値を測定ができる救急隊もあります。もちろん救急救命士で病院実習や講習などをきちんと受けて認められた方しかできません。

 

ホットライン(救急隊からの直通電話)の内容は糖尿病の患者さんの意識障害といった内容でした。

 

低血糖が強く疑われたのでオンラインで司令本部に詰めている指導医に指示要請をして血糖測定をし(医療行為のため救急救命士は指導医に電話や無線などのオンラインで傷病者の状態を報告し指示を受けてからでないと医療行為をすることはできません)28mg/dlのため静脈ラインの確保を試みようとしましたが失敗してしまい受け入れをして欲しいとの内容でした。

 

病院から5分という距離だったのですぐに到着しました。すぐに病院で静脈路を確保して血糖を測定した結果24mg/dlという値でさらに低下していました。意識はありません。

 

50%のブドウ糖液を40cc静脈注射したところ3分くらいで体動が見られてきて5分経過したところで声かけに反応して会話まで出来るようになりました。結局この患者さんは入院となりました。

 

この症例は事後検証の対象となりました。

 

この値は命の危険がある血糖値です。病院から5分という距離、糖尿病の治療中での意識障害。この傷病者は低血糖の可能性が高いことが容易に分かったはずなのに血糖測定までは良かったが静脈路の確保(すなわち点滴です)までする必要はあったのか?ということです。

 

病院では一発で点滴はできました。薄暗い狭い車内での点滴を試みることは困難だと思います。でもそれが理由で救えた命が救えなかったという理由にはなりません。これは救急隊を非難したり技術がないということを言いたいのではありません。低血糖は非常に危険だということが言いたいだけです。

 

この患者さんの低血糖の原因が朝一回のインスリン注射なのに夕方にも間違って結局二回インスリンの注射を打ってしまったことでした。
 

 低血糖の症状

これで低血糖がいかに危険か緊急度も高いかがご理解していただいたと思います。血糖値が低くなると意識障害、心肺停止、冷や汗、寒気、痙攣、震え、眠気、頭痛、動悸、不穏、顔面蒼白などが見られたりします。

 

もし低血糖かなと?と思ったら

意識がある場合はチョコレートや甘い飴、砂糖水が血糖を上昇させやすいのですが吸収まで時間がかかります。あらかじめ低血糖のためにブドウ糖を持っているならばブドウ糖が一番吸収が早いと言われています。

 

意識が混濁している時に口から何か飲ませたり食べさせようとすると窒息したり誤飲を起こしてしまうのでその場合は救急車を呼びましょう。

 

救急でも頻度は高くありませんが時々見られる低血糖です。意識障害で糖尿病の治療中ということがわかれば低血糖を疑ってもいいと思います。迅速な対処が尊い人命を救命することができます。これらのことも是非覚えていただけたら幸いです。

 

ER看護師になりたいなら転職するのが確実

ER看護師に今すぐになりたいのであれば、転職することが確実です。

 

転職を希望するなら転職サイトのマイナビ看護師を利用するのがおすすめです。

 

私も東日本大震災を機にいてもたってもいられなくなり、ER勤務ができる病院へ転職しましたが、その時、担当者の方には本当にお世話になりました。

 

すごく丁寧に対応してくれ、希望をしっかり聞いてくれて無理な転職を薦めてきません。給料交渉、面接対策までもしてくれて、本当に頼りになる会社です。おかげで希望の部署につけましたし、給料や待遇もアップすることができました。

 

転職を希望されるのであれば、ぜひ利用してみてくださいね。

 

無料登録は以下よりどうぞ。
ER看護師の求人はマイナビ看護師へ

このエントリーをはてなブックマークに追加  

ER看護師に転職するなら


 
TOP 業務解説 ER勤務体験談 ER看護師になるためには ER看護師の給料