精神科救急看護師の業務について,

精神科救急看護師の業務について

勤務する病院は一般病院であり救急病院でもあります。救急病院なので救急車や急に具合が悪くなった患者さんが訪れます。

 

身体の具合が悪くなってしまうのがほとんどですが、中には精神科の疾患をお持ちの方が急に症状が悪くなり緊急で受診や入院をすることがあります。

 

私が勤務する病院も一般病院でありながら精神科という科があります。しかし外来だけで入院設備や精神科救急はやっていません。夜間や休日に多い精神科救急についてお伝えさせていただきます。

 

精神科の患者さんも具合が悪くなります。精神科救急の実務

私も以前に非常勤ですが精神科の病院に勤務したことがあります(ブログでもご紹介しているのでぜひお読みになってくださいね。精神科看護の役割について【精神科看護師になるためには】)。

 

いろいろな妄想、幻覚、幻聴などの精神症状を呈している患者さんが多かったです。一般病室では管理できない患者さんに対しては保護室という個室に収容されます。

 

入院している患者さんだけではなく外来通院している患者さんも大勢いらっしゃいます。入院中に具合が悪くなれば病院で対応してくれますが在宅で精神症状が強くなってしまえば救急で受診するしかありません。ではどこに行けばいいのでしょうか?

 

一般の病院での受け入れはかなり困難になります。なぜかというと精神科の患者さんを収容する設備や部屋がないこと、抗精神薬がほとんどないことです。精神科で救急をやっている病院は都市部でも少ないです。地方に行けばないと言っても過言ではありません。

 

病院に行く方法も自傷や他害の恐れがあれば警察のパトカーで病院に行くことができます。精神症状だけで消防の救急車を呼んだとしても受け入れ先が見つからないのが現状です。ただしケガをしている身体的に異常がある例えば腹痛や呼吸苦があるなどの身体症状があれば救急車で病院に運ぶことができます。

 

しかし経験上はやはり精神疾患があるとどこの病院も受け入れは難しくなってしまいます。理由はやはり入院となると設備がないこと精神科のお薬があまりないこと身体的な治療ができても精神的な治療ができないので夜間や休日などは特に精神科の救急をやっているところがないため転送や転院ができないことです。

 

さらに幻覚や幻聴、妄想などで暴れたり不穏になったら脆弱な一般病院では対応ができないことです。

 

私が経験した精神科救急

私が勤務するERに救急隊からの収容依頼の電話がかかってきました。

 

内容は??歳の女性でガスコンロで両手を火傷してしまったという収容依頼でした。

 

救急車が到着し患者さんは歩いてERに入ってきました。バイタルサインを測定し異常は特にありませんでしたが皮膚が焼け焦げた匂いがER内に充満しなんとも言えない匂いがしました。

 

医師が両手の火傷を確認したら二度から三度の重傷でした。痛みもありすぐ流水で二十分くらい洗浄も兼ねて流しました。その後は軟膏をたっぷりと塗って化膿止めの注射をしたりして火傷に対する処置は終了しました。

 

その処置の間に別の医師が救急隊から引き継ぎを受けていました。

 

「天からの命令で手の中に邪悪な悪魔がいるから焼き払え」という声が聞こえてガスコンロで手を焼いてしまったとのことでした。

 

普段は△△病院の精神科に通院していて入院歴があるという患者さんでした。病名は統合失調症を二十歳の頃から患っていて治療中とのことでした。

 

手の治療は何回か処置を繰り返せば回復するのですがかの方は内服の管理ができておらず一人暮らしでの生活、強い精神症状で精神科の入院が必要な状態でした。時刻は深夜の十二時を回ったところです。

 

救急隊に近隣で精神科の患者さんを受け入れる病院を探してもらいました。三時間探しても結局ない状態で朝まで私たちのERで預かって朝になったらかかりつけの△△病院に電話して受け入れを要請しようということが決まりました。そのもくろみは見事に功を奏して朝方転送となりました。

 

精神科救急の今後の見通しは

いかがだったでしょうか?

 

精神科疾患のみで救急車を呼んでも同じように二時間、三時間収容先を見つけようとしてもなかなか見つかりません。

 

平日の日中だったらなんとかなる可能性はあります。夜間や休日は受け入れ先が見つからない可能性が高くなってしまいます。見つかったとしても救急車でも一時間かかってしまう病院や県をまたいでの搬送になってしまいます。

 

都市部なら少しは精神科救急の整備を構築されつつありますがまだまだだと感じます。問題は地方です。いろいろな議論や話し合いを精神科救急を充実するために頑張っています。今日話し合って明日から良くなるということはまずないと思います。

 

せめてかかりつけの病院の受け入れ体制、当番病院の体制、人員配置などが改善されれば少しは良くなるのではないかと個人的には感じています。でもたくさんのしがらみがあって時間がかかってしまいますね。少しでも精神科疾患があるからとそんな患者さんが不利益を被ることがないような医療体制はできるように祈っています。

 

今回はほとんど表に上がってこない同じ救急なのに知られていない精神科救急のお話でした。

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