ERの造影剤を使った検査の業務【冠動脈撮影、CTスキャン】

ERの造影剤を使った検査の業務【冠動脈撮影、CTスキャン】

救急の検査で結構多いのが造影剤を使った検査です。

 

静脈から造影剤を注入してCTを撮影する検査。冠動脈にカテーテルを挿入して冠動脈を撮影する冠動脈撮影。

 

同じく動脈にカテーテルを挿入して脳血管を撮影する脳血管撮影。バリウムやガストログラフィンを飲んで行う胃透視。バリウムを肛門より入れて大腸を撮影する注腸造影。造影剤を使った検査をパッと思いついただけでもこんなにあります。

 

造影剤を使った検査で多くあるのが静脈から造影剤を入れてCTを使用する検査です。

 

造影剤とは何か?

文字のごとく影を作るお薬のことです。X線は人間の体などに照射すると透過していくという特徴を利用してその特徴を活かしX線が透過する差を抽出してX線の画像を作り上げていきます。

 

しかし人体のすべての臓器が見られるわけではありません。臓器や血管をより鮮明に見るには造影剤を体内に入れなければなりません。それが造影剤なのです。造影剤には静脈や動脈から入れるものや撮影対象となる臓器に対しては経口や経腸から投与するものなどがあります。

 

なぜ造影剤を使用するのか?

それは単純に何も使わないで撮影するよりは造影剤を使った検査の方が画像で見た時得られる情報がとても多いからです。よくCT撮影で使用するのがヨード系の造影剤です。

 

ちなみにMRIで使用するのがガドリウム系の造影剤です。ガドリウム系の造影剤は磁気に反応するのでMRIの時に使われます。ERでよく行う造影撮影はCTを使った全身の造影検査です。頭部、腹部、胸部、骨盤腔内、下肢の血管などです。

 

例えば腹部CTの造影検査では臓器や血管にコントラストがつくため単純CT(造影剤なしのCT)よりそれらがわかりやすくなっていきます。粘膜の状態まではわからないので補助的に内視鏡の検査やバリウムを用いた胃透視をすることがあります。

 

造影検査をするには準備が必要

静脈から造影剤を注入する場合は点滴をする必要があります。サーフロー針という留置針を患者さんの静脈に挿入します。指す場所はどちらかの上肢にさします。できたら曲げることが多い肘の静脈ではなく前腕の血管の走行が比較的に直線である静脈が望ましいのですがなければ肘の正中にある

 

静脈でも大丈夫です。サーフロー針の太さは20G以上が望ましいです。なぜなら造影剤の注入は50ccくらいをシリンジで一気に流し込みます。サーフロー針の太さが細いと造影剤が流れ込む速度は遅くなり見たい臓器や血管がうまく抽出がされなくなってしまいます。

 

さらに接続するチューブも耐圧チューブを使用しなくてはなりません。シリンジで圧がかかりながら注入されるので耐圧チューブでないとチューブ自体が破けてしまったり圧に耐えきれずに接続部分から弾けてしまうからです。造影をする前に血液検査をします。

 

造影剤は体の中に入ったら尿と一緒に排出されていきます。そのため血液検査で腎臓の機能を調べます。腎臓の機能が悪いところに造影剤を使用すると腎臓の負担が大きく腎臓の機能がそこなわれてしまい腎不全や最悪の場合は人工透析を余儀なくされる場合があります。

 

造影剤を使った検査には本人や家族の同意が必要

造影剤を使った検査にはリスクがあります。どんなリスクがあるかというと前述した腎機能の低下など副作用があるからです。その危険性とリスクを背負いながら検査をする有用性を医師は説明をして同意書にサインや印鑑をもらわなければなりません。患者さんや家族はわからないことがあればとことん質問もできます。

 

造影剤の副作用とは何か?

造影剤の副作用はたくさんあります。まず比較的に軽い副作用として造影剤を静脈から注入すると体がカッと熱くなります。これは造影剤を温めているからです。温めることによって造影剤の効果を大きくさせます。そして血管が広がることによってもこの熱くなる感じがあります。検査が終わる頃にはその熱い感じはなくなっています。

 

その次に軽い副作用として吐き気、蕁麻疹、体の発赤、かゆみ、動悸、頭痛、くしゃみなどがあります。造影剤が静脈に入ると局所的にミミズ腫れのようになったのを見たことがあります。造影剤が血管外に漏れてしまうと痛みや末梢神経障害、局所壊死を起こしてしまいます。

 

造影剤が注入する前は必ず静脈に確実に入っているかどうかの確認は重要項目です。これらの比較的に軽い副作用は50人に1人(約ですが2%)の患者さんに発生してしまいます。

 

重い副作用として腎機能障害(腎機能が正常でも起きてしまいます)意識障害、呼吸苦、血圧低下、抹消神経障害、などが見られます。頻度として1000人に1人(約0.1%)の患者さんに見られ入院や手術をしなければならなくなります。

 

最後に死亡例もあります。頻度は10万人?20万人に1人(0.0005?0.001%)の割合です。造影剤による副作用は注射後30分以内に現れる場合がほとんどですが検査終了後1時間後から数日を経てからも発生してしまうことがあるので注意が必要です。

 

このように造影剤を用いた検査は有用性が高い反面副作用のリスクを考えながら行う検査です。検査時には医師や看護師が付き添うことが大前提ですが緊急処置ができる体制も整えておいて安全に安心して造影検査を受けていただくようにしましょう。

このエントリーをはてなブックマークに追加  

ER看護師に転職するなら


 
TOP 業務解説 ER勤務体験談 ER看護師になるためには ER看護師の給料