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災害からDMATの活動を紹介

ひとたび小規模から大規模ないろいろな災害が発災したら災害現場に赴くのが私たちDMATです。DMATは医療行為が行える集団です。災害現場でいち早く医療の手を介入して救える命は救おうという信念があります。

 

では実際にはどのようにして災害現場でDMATは活動しているかをご紹介したいと思います。

 

災害現場でのDMAT

阪神淡路大震災で認知度が高まったクラッシュ症候群があります。このため救助隊は瓦礫や家屋の下敷きになっている方々をむやみやたらに救出できなくなりました。そのため救助活動と同時に医療支援を行わなければならなくなりました。

 

私たちDMATも瓦礫の下の医療から瓦礫の中の医療に変わりました。危険な災害現場です。一歩間違えばこちらが被災してしまう立場になってしまいます。もちろんですが五体満足で帰ってくるのが当たり前です。

 

しかしその保証はどこにもありません。発災して災害現場に赴くたびに万一の覚悟は常に持ち合わせなければなりません。私のブログや記事を読んでくださっている方々の中に将来はDMATになりたい、DMATで活躍したいという崇高な気持ちをお持ちの方々がたくさんいらっしゃいます。

 

私としてはすごく嬉しい限りです。しかし見かけのかっこよさに憧れてDMATになりたいという方はやめたほうが無難です。何故なら災害現場は悲惨であり過酷です。相当な覚悟が必要です。見掛け倒しだと任務が果たせないからです。

 

さて瓦礫の中や家屋の下敷きになっている方を救出するには救助隊の力が必要です。そして私たちDMATは救助活動しながら医療的な処置を始めていきます。まずクラッシュ症候群の発症をできるだけ抑えるために点滴を始めます。

 

病院の中のように安全が保障されている場所ではありません。頭上から何か落ちてくるかもしれません。その時も昼間とは限りません。昼間であっても薄暗い場所かもしれません。気温だって極端に暑かったり寒かったり雨や雪が降っているかもしれません。

 

瓦礫の下に挟まっている方や家屋の下敷きになっている方も病院のベッドの上で真っ直ぐに仰向けでいるわけではありません。うつ伏せになっていたり横向きになっていたりします。そんな条件下での医療行為は困難です。

 

点滴ひとつするにも卓越した技量を持ち合わせないといけません。出血していれば止血処置をしたり気温が低ければ保温もしなければなりません。呼吸苦があれば酸素の投与もしなければなりません。このように瓦礫の下や瓦礫の中の医療は困難を極めてしまいます。無数の被災者がいればトリアージも現場で行わなければなりません。

 

救護所での活動

救護所では状態に応じてトリアージされています。その中で緊急度や重症度の高い方から治療や応急処置を開始します。点滴はもちろんですが骨折なら整復が可能なら整復したり固定が必要ならシーネなどで固定をします。

 

縫合処置、酸素投与、各種カテーテルの挿入、心肺蘇生、人工呼吸器の使用など根治はさせることはできませんが搬送に耐えられるだけの処置を施します。搬送時の付き添いも大切な任務です。搬送中に状態が悪化しないように常に観察や処置をやはり継続します。搬送方法も救急車、ドクターヘリ、防災ヘリ、自衛隊ヘリ、飛行機などいろいろあります。

 

避難所での活動

難を逃れてきたり家屋を失ってきたりしてきた被災者の方々が訪れる場所です。住み慣れたところを離れたり災害によって不安や恐怖、極度なストレスに心も体さらされています。そうなると体の具合も悪くなっていきます。そんなところでもDMATは医療活動を行います。医師は診察をして看護師は当然ながら医師の診療の介助をしていきます。看護師も独自の看護行為で避難所の方々をサポートしたり精神的なケアを行います。

 

病院支援

被災した病院はその機能を失ってしまうことがあります。しかしわずかながらその機能が残っていたり避難できずに残っている患者さんに対してDMATは診療支援を行います。被災した病院ではそこで働いている人自身が被災したり被災者になってしまうからです。

 

診療機能が残存しているなら支援することによって医療機関として被災者を受け入れて入院させたり入院ができなくても診療行為をすることにより医療機関としての役割を少しでも果たすことができるからです。

 

私たちの病院も被災してライフラインが途絶えた状態で他地域のDMATを受け入れるという訓練もしてきました。少しでもそこに残ってしまった患者さんに不利益が起きないように医療機関としての機能を少しでも果たせるようにそんな病院支援の仕事もDMATにとって重大な役割なのです。

 

これからDMATを目指す方々へ

簡単ではありましたが災害現場でのDMATの活動をご紹介させていただきました。

 

この記事をお読みになった方々の中には

 

「やっぱりDMATは危険だし大変だからやっぱり止めておこう」

 

「絶対にDMATになって被災している方々のために頑張るんだ!」

 

などいろいろな気持ちをお持ちになっていただけたと思います。

 

DMATは過酷で厳しいものです。病院の中という安全が保障された場所から飛び出して自ら危険な場所に赴いていくのです。でも目指そうとしている気持ちや心意気はいつか必ずDMATになったときいざ悲惨な災害現場に出場したときに自分を奮い立たせることができるでしょう。

 

絶対に今の気持ちを忘れないでください。なぜならその思いを被災者の方々に届けられるようなDMATになってほしいからです。

 

次は⇒被災者を守る医療チーム

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